2021年12月7日

 ある出版社がオンラインで行う就活イベント、男性の社員が上唇まで見えるくらいマスクをずり下げて画面に現れて、話を聞く気がなくなった。

 

 マスクずり下げ男は、「バチクソ」「ケツ拭く」といったおよそ面接で学生が使うことは考えられないような言葉を使いつつ、くだけた調子で(あるいは無礼な態度で)滔々と話し続けた。

 「『ガクチカ』という言葉があると最近私は知ったんですけども…」という鼻につく前置き*1で司会が無礼な男に学生時代のことを語るように促した。

 「イベントサークル」「短期留学」などを経験したが、そんなことを語るのは意味がないと男は言った。面白い経験を語るのではなく、相手に面白いと思わせることが大切であるというような話に続けて、「僕法学部だったんですけど、全然大学なんか行ってなくて。憲法9条がなんなのかとか、なんにもわからないですからね」と笑った。

 おたくの出版社、一応ジャーナリズム誌も発行されてると思うんですけどね。小さい子どもが読む本も出してるし。憲法に興味ないです、と公言できていいんだなぁ。こんな軽薄な男も新卒一括採用で滑り込めば、不動産業で延命し続ける斜陽業界で「ギョーカイ人」面ができる。本当にうらやましい。男は「仕事で楽しかったことは?」という問いに「乃木坂の可愛い子と会えました」とにやけ面をマスクからのぞかせていた。

 総勢500人超が視聴するライブのチャット欄に投稿した僕の質問は、最後まで取り上げてもらえなかった。うーん、きっと妖怪のせいなのね。

*1:自分たちがそうした「エピソード」を学生に創作させて語らせている、あるいはそうすることをベターなチョイスと学生自身に認識させる慣習の維持に加担しているという認識はないようである。